先日、支援先企業の社長からこんな質問を受けました。
「ウチの会社でも、買ってくれるところってあるんですかね?」
その企業の支援に入ったのは3年前。過去3期は連続赤字で債務超過、資金繰り厳しい状況でしたので、社長及びメインバンクとの協議の上、改善計画を作成しリスケを行いました。計画1年目は、計画通り償却前利益が黒字となり、計画2年目決算で返済原資となる償却前利益を確定したのち、元本一部返済を始める予定でした。
ところがその矢先、当社の主要取引先が、突然廃業することになりました。代わりとなる取引先がすぐに見つかるわけもなく、計画していた返済開始が難しくなりました。なにより、急ぎ出血を止め、手を打たなくては、事業の存続も危ぶまれます。計画修正のやり取りをしている中での冒頭のご質問でした。
ここには詳しくは書けませんが、聞けばちょっと驚く強み、小粒ながら「キラリ」と光るものを当社は持っています。厳しい状況の中、社長がふと漏らしたお言葉に対し、私は「御社には独自性のある製品があり、買い手はきっと見つかります。」とお答えしました。
続けて、「では、買ってもらう可能性をより高めるために黒字化に向けて頑張りましょう。」と申し上げました。この案件の続きは現在進行形ですので、また後日に続きをお話しさせていただきます。
ここ数年、M&Aはずいぶん身近なものとなり、あちこちで話題に上がるようになってきました。皆さんの企業支援の場でも、同じような質問や相談を受けることが増えているのではないでしょうか。そんなときは森を思い出していただければ幸いです。
NBR合同会社
中小企業診断士 森 正樹